カレーライスのおいしい秘密

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母は晩御飯のメニューに困るとすぐにカレーライスにしてしまう人だった。

私はよく頼まれてカレーライスばかり作っていた。あまりに頻繁だったために、私はカレーライスを好きではなかった。メニューに困っているなら、助けてあげたらよかったのかもしれないが、私はその頃、教えてもらった料理も満足においしく作れない位、料理が苦手だった。

年頃には、太らないようにと、料理を作ることより、極力食べないことを選んでしまっていたので、尚更だ。結婚することを考えてもいなかったし、料理については、りの字くらいしか、私の中には存在しなかったのだ。だから、結婚して初めて夕飯の支度をするときに、今まで何を考えていたのだろうと、青ざめてしまったくらいだった。

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どんなカレーを作ろうか

さて。何を作ろうか。そうだ。カレーライスなら。何度も作っているし、失敗もないだろう。そう、すぐに思った。自分がいつも作っていたのは、ナスやひき肉の入った、シーフードカレーだった。私は料理の本をめくる。

そこには、ココナツミルクや、ナンプラーを使ったタイ風カレーの作り方が載っていて、私は試しに作ってみたくなった。スーパーマーケットから、材料を買い込み、本を片手に作った、タイカレー。

旦那は夕方鳴るチャイムの音とほとんど一緒に帰ってきた。少し早めに作っておいたカレーライスを、サラダと一緒にテーブルに出す。

「これ、何が入ってるの?」しばらく食べ続けた手を止めて、旦那が尋ねた。私は、もじもじしながら、「ココナツミルク。」と答えた。「ああ、ココナツミルクね。何かと思った。変わったカレーだね。」私は、ははは、と笑う。

「でも、こういうのよりも、普通のカレーの方が好きだな。面白いけどね。」そうはいいながらも、旦那は全部平らげてくれた。「そうだね。ちょっと、変わった味だよね。今度は、普通のカレーにする。」

それから、しばらくして私はそれまで作っていたシーフードカレーを作って夕飯に出した。旦那からは、自分の家では変わったものはあまり食べないこと、お義母さんやお義父さんも古い人だから、定番を好むということを説明された。

結婚する前には、聞いたことがなかった気がする。料理について考えなかったとはいうものの、家に訪れたときには、クラッカーやパスタなどで、ちょっとしたおもてなしをしていたが、何も言われなかったと思う。あまり良い出来栄えではないカルボナーラも、笑って食べてくれたまでだ。

愛情がこもった手作りカレー

今度こそ、と私はキッチンに立つ。

鍋にショウガとニンニクを入れ、タマネギと豚肉に小麦粉とカレー粉も一緒に炒め、下ゆでしたニンジンとジャガイモを水と加えてしょうゆとオイスターソースで味を整えた手作りカレーに挑戦してみる。

給食で食べたような、素朴でおいしいカレー。我が家の定番の出来上がりだ。


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